【この記事には作品のネタバレが含まれています。未視聴の方はご注意ください】
「人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃねえよ。理解はできても、納得はできねえんだ」
これは、名探偵コナンにおいて工藤新一が残した、あまりにも有名なセリフです。作中でも、毛利小五郎が「殺人者の気持ちなんて、わかりたくねえよ」と語る場面からもわかるように、コナンシリーズは「なぜ事件が起きたのか(動機)」よりも、「どうやって事件が起きたのか(トリックやアリバイ)」に重きを置いて描かれることが多いですよね。
だからこそ、時には視聴者を「え、それだけ!?」と呆然とさせるほど、身勝手で理不尽な動機が登場するのも、コナンの魅力の一つと言えるかもしれません。
本記事では、そんなコナン作品の中から、思わず「理不尽すぎる!」と叫びたくなるような動機で引き起こされた事件を、アニメ、劇場版、原作問わずピックアップして徹底考察していきます。あの事件の犯人の真意とは?そして、その裏に隠された人間の深い闇とは?
この記事を読めば、あなたのコナン愛がさらに深まり、作品をもう一度見返したくなること間違いなしです!
コナン作品の「理不尽動機」の傾向とタイプ分け
コナン作品で描かれる事件の動機は、大きく分けて「口封じ」「過去の犯罪隠蔽」「復讐」「金銭絡み」の4つが多いと言われています。しかし、今回注目するのは、その中でも特に「事情と行為が見合っていない」、つまり理不尽に感じられる動機です。これらの事件は、いくつかの傾向に分類することができます。
- 怒りの矛先を間違えた「逆恨み」
- 自身の「完璧主義」が暴走した結果
- まさかの「作品の解釈違い」による凶行
- 際限のない「金や財宝」への欲望
- 常識を逸脱した「認知の歪み」
それでは早速、それぞれのタイプごとに具体的な事件を見ていきましょう。
1. 「それって逆恨みでは?」怒りの矛先を間違えた犯人たち
【ここから先は、各事件の核心に触れるネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください】
まずは、誰が見ても「それは違うでしょう…」と言いたくなるような、怒りの矛先を間違えた逆恨み型の犯人たちです。
アニメ135話「消えた凶器捜索事件」:ハンガーのおばさんの真相
「ハンガーのおばさん」という通称でも有名なこの事件。被害者が勤めていた美容院から、他店への移籍を決意したことをきっかけに口論となり、懇願する経営者を振り払った際にハンガーが被害者の頭に当たってしまいます。これが引き金となり、経営者は「恩を仇で返された」と感じ、そのハンガーで被害者の首を絞めて殺害しました。
放送当時の1999年であればまだしも、キャリアアップや転職が当たり前となった現代において、引き留めに家まで押しかける時点で問題があると感じる人もいるでしょう。ハンガーが凶器になった衝撃的な場面での犯人のセリフも相まって、理不尽な動機の代表格として語り継がれています。
原作71-72巻/アニメ616-621話「ホームズの黙示録」:連続殺人犯の悲劇と暴走
ロンドンを舞台に、コナンが窮地に追い込まれる「ホームズの黙示録」。登場する連続殺人犯は、病気の母親の手術費用を稼ぐためギャンブルに手を出し、全てを失って母親を亡くしてしまいます。この絶望から、彼は金を貸してくれた友人、ギャンブルを勧めた美人、そして手術を断った病院へと次々に憎悪を向け、残忍な方法で人々を惨殺。さらには病院爆破まで企てました。
挙げ句の果てには、自身のギャンブル失敗の日にウィンブルドンを制した世界ランク1位のテニスプレイヤーに同じ絶望感を与えるべく、その母親を標的にします。自身が招いた結果であるにもかかわらず、全く無関係な人々を巻き込む「清々しいまでの逆恨み」と言えるでしょう。
原作95-96巻/アニメ971-974話「標的は警視庁交通部」:免許不携帯から生まれた悲劇
警視庁交通部の女性警察官が次々と殺害されたこの事件。動機は、自殺を止めようと免許不携帯で急ぐ犯人を検挙した警察官への逆恨みでした。しかし、彼女はメール送信の1分後にボイスメッセージを残して飛び降りており、どんなに急いでも間に合わなかったことが明らかになります。
気が動転してボイスメッセージにも気づかず、ましてや彼女の自殺の原因となったパワハラ上司ではなく、職務を全うしただけの警察官を標的にするというのは、あまりにも理不尽です。千葉刑事が指摘したように、運転マナーを欠いていたのは事実であり、犯人は自身の行動と向き合わず、怒りの矛先を間違え続けた救いようのない人物でした。
劇場版13作「漆黒の追跡者」:妹の死の真相と歪んだ復讐
広域連続殺人事件が描かれた劇場版第13作。犯人の動機は、火災で焼死した妹の敵討ちでした。妹は避難に利用したエレベーターが定員オーバーになり、自ら降りることを選択し、逃げ遅れて亡くなってしまったのです。その真相を知った犯人は、エレベーターに乗り合わせた7人を次々と殺害し、その罪を妹と駆け落ちし火災のきっかけを作った恋人に擦り付けようとしました。
妹さんが助けようとした人々を、犯人が殺害するという行為は、まさに妹さんの思いを踏みにじるものです。誰も幸せにならない復讐劇として、劇場版の大がかりなスケールとは裏腹に、動機の理不尽さが際立つ事件でした。
2. 「わずかな曇りも許さない」完璧主義者の恐ろしさ
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次にご紹介するのは、自身の完璧主義的な思想やプライドのために、多くの人々を巻き込む凶行に走った犯人たちです。
劇場版1作「時計仕掛けの摩天楼」:守谷帝二のシンメトリー狂気
記念すべき劇場版第1作に登場する世界的建築家、守谷帝二(もりや ていじ)。彼は左右対称のシンメトリーに異様なほどこだわりを持ち、自身の名前まで「提示」に改名するほどでした。建築家は自分の作品に責任を持つべきだという持論から、30代前半に設計したシンメトリーではない建築物をこの世から抹消することを決意します。
左右非対称の邸宅4つを放火し、環状線の橋やゴールデンウィークの交通網を大混乱させるための爆破、さらには米花シティビルに大量の爆弾を仕掛けるという、とんでもない計画を実行に移しました。工藤新一への個人的な逆恨みも加わり、新一の誕生日を狙って爆破を決行するという、まさに狂気の完璧主義者でした。
劇場版2作「14番目の標的」:ソムリエ・沢木耕平の味覚障害と復讐計画
劇場版第2作に登場するソムリエの沢木耕平は、当て逃げ事故による頭部外傷と心的ストレスで味覚障害に陥り、ソムリエを続けられなくなってしまいます。彼はこの事故の原因となった人物たちを殺害する計画を立て、さらに殺害対象の4人の名前に数字が含まれることを利用し、トランプ賭博のディーラーに罪を擦り付けるべく、無関係な人々を含む14人もの人々を巻き込みました。
彼の境遇には同情できる部分もありますが、殺害対象となった4人のうち、事故の直接の原因となった人物以外は、高級ワインの管理がずさんな資産家、味音痴なグルメ評論家、ソムリエをからかう悪ふざけをしたプロゴルファーなど、「非難されても仕方がないが、殺されるほどではない」人物たちでした。置かれた境遇はともかく、その犯行は全く擁護できません。
劇場版4作「瞳の中の暗殺者」:外科医・風戸京介の自己保身
天才外科医として名を馳せていた風戸京介は、金に汚い同僚に妬まれ、手術中の事故を装って左手首を切りつけられてしまいます。神経損傷により外科医の道を諦めざるを得なくなった彼は、診療科の医師として過ごしていましたが、偶然再会した同僚から事故は故意だったと聞かされ、彼を殺害してしまいます。
ここまでは同情できるものの、警察の捜査の手が自身に及ばないよう、警察に恨みを持つ人物を犯人に仕立て上げようと、再捜査をしていた3人の刑事を殺害しようと企てます。2人の刑事を殺し、3人目の標的である佐藤刑事を銃撃した際に自身の姿を目撃した蘭まで執拗に殺そうとしたのは、完全に自己保身であり、動機の悪質さが際立つ事件でした。
3. 「それ、作品への冒涜では?」解釈違いによる凶行
【ここから先は、各事件の核心に触れるネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください】
愛ゆえに、その愛が憎悪へと転じてしまう。特に作品への過剰な愛着が、身勝手な犯行へと繋がった事件をご紹介します。
原作12-13巻/アニメ57-58話「ホームズフリーク殺人事件」:愛と憎しみの紙一重
シャーロキアンたちが集うツアーで発生した連続殺人事件。その動機は、被害者が自費出版したシャーロック・ホームズの考察本における、アイリーン・アドラー像への解釈違いでした。犯人は「ホームズが唯一認めた女性であるアイリーンが、ホームズをあざ笑うはずがない」と考え、この本を出版した2人をどうしても許せず凶行に及びます。
さらに、一人目の殺人を終えた後、一緒にツアーに参加していた自身の恋人に犯人だと見抜かれたため、二人目を殺すために用意していた車の発火トリックを流用し、ためらいなく恋人を焼き殺しました。コナンが「ホームズファンに悪い人はいないから」と能天気に言い放ち、灰原を呆れさせたエピソードがあるだけに、この犯人の極悪非道ぶりは際立っています。
劇場版19作「業火の向日葵」:ゴッホの「ひまわり」を巡る独りよがりな主張
劇場版第19作の犯人は、「ゴッホのひまわりのうち2枚は贋作である」と一方的に主張し、その2枚の絵画を抹消するために多くの人間を危険に晒しました。この2枚の絵画は、美術館が出した論文により本物であるとすでに証明されていたにもかかわらず、このような犯行に及んだのは、学問への冒涜としか言いようがありません。
その手口も、絵画を輸送するジェット機を爆破したり、展覧会の中止を狙って主催者の命を狙ったり、美術館ごと絵画を焼却しようとしたりと、なりふり構わない身勝手なものでした。権威ある美術館の証明を無視し、大勢の命を危険に晒しながら、肝心な場面では安全圏から見守るという、自身の犯行に対する信念も説得力も感じられない、極めてたちが悪い犯人像でした。
4. 「金のためなら何でもあり」行き過ぎた欲望の果てに
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金や財宝への欲望は、ときに人の心を大きく狂わせます。ここでは、その欲望のためならあらゆる犠牲も厭わない、自己中心的な犯人たちをご紹介します。
原作21-22巻/アニメ136-137話「青の古城探索事件」:財宝と16人の犠牲者
奥多摩の山奥にそびえる西洋風の古城に残された、「この城の謎を解き明かしたものに一番の宝を与えよう」という遺言と暗号。今回の犯人は、この宝を独り占めしようと、城の主であるオーク様を殺害し、整形してすり替わるという恐ろしい計画を実行します。さらに、その計画の邪魔になりそうな14人を、オーク様の誕生日を利用して全員まとめて焼き殺しました。
キャンプ帰りに道に迷い、一晩泊めてもらったコナンたちの手によって暗号が解読された結果、その宝が城の頂上から見える「絶景」だったと知った犯人。「こんなもののために、私は何人も殺してきたというのかい…」と呟き、魂の抜け切った姿で連行されていく姿は、財宝という誘惑に取り憑かれた人間の哀れさを物語っています。
劇場版15作「沈黙の15分(クォーター)」:強盗殺人犯の自己中心的な大事件
劇場版第15作に登場する犯人は、8年前に自身の借金返済のために宝石強盗を行い、従業員を殺害。さらに隠した宝石を移動中にひき逃げでもう一人死亡させ、目撃した少年を植物状態にまで追い込んだ、救いようのない犯罪者です。強盗殺人が発覚しないよう、ひき逃げ犯として出頭し、軽い罪で逃れるという卑劣な手口も用いました。
出所後、隠した宝石の場所がダム湖の底へと沈んでしまったことを知ると、宝石を取り戻すためにダムの水を抜くという、とんでもない事件を引き起こします。ダムの爆破テロを企て、東京都知事を狙い、協力者を始末し、村を孤立させるために携帯の基地局を爆破するなど、その被害はあまりにも甚大です。彼一人の借金が、どれだけ多くの人々の人生を破壊したかを考えさせられる事件でした。
5. 「まさか、それが理由!?」常軌を逸した認知の歪み
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最後に紹介するのは、その動機が常軌を逸しており、まともな判断ができていないとしか思えない犯人たちによる事件です。
原作34-35巻/アニメ286-288話「工藤新一NYの事件」:役柄に憑りつかれた女優
工藤新一と蘭がニューヨークで遭遇した事件。ブロードウェイの舞台女優だった犯人は、被害者が演じる「ミカエル」という役を、苦しいほどに愛していました。そのため、ミカエルを演じている彼が役を降板し、映画界へ転身すると知ると、「彼以外がミカエル役を演じるなんてとても耐えられない」という思いから、彼をミカエル役のまま封印すべく、舞台上で殺害します。
確かに、はまり役でその人しかありえない、という意見はよく聞きます。しかし、殺してしまえば、その役も役者も全てが終わってしまうのに、なぜそのような結論に至ってしまったのか。愛が歪んだ形で暴走してしまった悲劇と言えるでしょう。
劇場版3作「世紀末の魔術師」:スコーピオンのロマノフ王朝財宝への執念
劇場版第3作に登場する強盗殺人犯、スコーピオン。彼は、ロマノフ王朝の財宝は、皇帝一家と親しかったラスプーチンが引き継ぐべきだという、独自の思想を持っていました。この思想に基づき、ロマノフ王朝の財宝を専門に盗みに侵入し、邪魔をする輩は祖先の遺体になぞらえて右目を打ち抜いて殺害するという、猟奇的な手口を用いました。
ラスプーチンに対する思いは非常に強く、彼を「世紀の大悪党」と評した小五郎の命までも狙うほどでした。一貫した思想と手口を持つものの、その根底にある認知の歪みと、他者の命を奪うことへの躊躇のなさが、非常に恐ろしい犯人像として描かれています。
「理不尽動機」の裏側:なぜそこまで狂ってしまったのか?
今回ご紹介した「理不尽な動機」による事件の犯人たちには、共通して自己中心的思考、他者への共感の欠如、そして歪んだ正義感や信念が見られます。
自身の不満や絶望を、全く関係のない人々にぶつけたり、些細なきっかけを拡大解釈して壮大な復讐計画を企てたりする姿は、まさに人間の心の闇を映し出しています。
コナン作品は、これらの事件を通じて、単なる謎解きだけでなく、人間の深層心理や、なぜ人が罪を犯すのかという普遍的なテーマを私たちに問いかけているのかもしれません。
さて、あなたにとって最も衝撃的だった理不尽動機の事件はどれでしたか?コメント欄でぜひ教えてくださいね!
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まとめ:コナンが描く人間の深層心理
名探偵コナンは、鮮やかなトリックやハラハラする展開だけでなく、人間が抱える様々な感情が引き起こす事件を描き続けています。理不尽な動機を持つ犯人たちの姿は、私たち自身の心の奥底に潜む感情と向き合うきっかけを与えてくれるかもしれません。
たとえ動機が理解できなくても、事件の真相を解き明かすコナンの姿には、常に正義と希望が描かれています。ぜひ、この機会にU-NEXTで名探偵コナンの世界に深く潜り込み、あなたなりの「事件の動機」について考えてみてください。
