社会現象を巻き起こし、多くの人々の心を掴んだ新海誠監督の傑作『君の名は。』。感動的なストーリーと圧倒的な映像美で、公開から年月が経った今もなお愛され続けていますね。
しかし、映画やアニメーションのプロは、この作品をどのように評価しているのでしょうか?「泣ける映画」としては満点に近い評価を得つつも、「アニメーション作品として」は意外な指摘がされているのをご存じですか?
今回は、プロの視点から語られた『君の名は。』の「アニメーション表現」に関する深掘り解説をお届けします。あなたの「君の名は。」に対する見方が、きっと変わるはずですよ。
映画としては満点級!しかしアニメとしては…プロが語る「君の名は。」の点数
まず、プロの評論家は『君の名は。』をどう評価しているのでしょうか。
- 映画としての総合点:70点
- ベター映画(ロードドラマ)として:120点(世界中の中心で愛を叫ぶ系映画として同格)
- アニメとして:85点
驚くべきは、ロードドラマとしては120点という高評価でありながら、「アニメとしては85点」という部分です。「一体、何がマイナス15点になったのだろう?」と疑問に思いますよね。アニメーション表現のプロが60点をつける基準は「アニメーションとしてやるべきことを全てやっているか」。そこから、「アニメでしかできない表現」があればあるほど、点数が加算されていくと語られています。
では、『君の名は。』の何が、この「アニメとしての点数」に影響したのでしょうか。
「実写の模倣」と指摘される映像表現の数々
プロの指摘で最も印象的だったのは、「実写でできることをアニメに置き換えたような印象が強い」という点です。
時間経過の表現:電車や車の高速移動
例えば、時間経過を示すシーンで、駅の電車や街中の車が高速で動く描写がありましたよね。これは実写映画ではよく使われる手法です。しかし、アニメでそれをそのまま置き換えたことについて、プロは「少しつまらなかった」と評しています。
対照的に挙げられたのが、大友克洋監督の『AKIRA』です。バイクが夜の都会を疾走する際に、テールランプが光の線を引く「ストリート現象」と呼ばれる表現。これはまさしく「アニメでしかできない新しい表現」であり、『AKIRA』の映像表現を100点オーバー、120点と絶賛する理由となっています。
「アニメならでは」の表現とは?『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の例
さらに、庵野秀明監督が手がけた『王立宇宙軍 オネアミスの翼』のロケット打ち上げシーンの破片の落ち方も例として挙げられました。実写では不可能な、破片ごとに重力加速度を微妙に変化させることで、空間が圧縮されたような独特の重厚感とスローモーション効果を生み出しているのです。これはまさに「アニメーションならではの表現」であり、見る者に強烈な印象を与えます。
これらと比較すると、『君の名は。』のタイムラプス表現は、残念ながら「実写の置き換え」という印象が強く残ってしまったとのことです。
「映像」ではなく「漫画」を動かしている?衝撃の指摘
もう一つの興味深い指摘は、空を飛ぶ鳥の描写に関するものです。
『君の名は。』では、大空を飛ぶ鳥に影がついて伸びているシーンがあります。しかし、実際の映像では、空を飛ぶ鳥に影が付いているのはあり得ません。なぜなら、影は光源(太陽)の反対側にできるもので、空中に浮く鳥に地面に落ちるような影がつくことはないからです。
これは、漫画ではよく使われる表現です。静止画である漫画では、鳥に軽く影をかけることで立体感や動きを表現します。プロは、この描写から「新海誠が本質的に描こうとしているのは、アニメーションという映像ではなく、いかに漫画を動かそうとしていたか」という洞察を導き出しています。
「1万円としてはすごくいいけれど、映像としては本来成立しないことをやっている」というコメントは、この「漫画を動かす」という本質に繋がるのかもしれません。
プロが指摘する「デリカシーがない」音響バランス
映像表現だけでなく、音響についてもプロからの指摘がありました。
例えば、SuicaやICOCAで改札を通るときの「ピッ」という音が、全体の音響バランスとして大きすぎる、という点です。また、音楽が流れる中で効果音が急に大きくなったり、盛り上げるための音楽が突然大音量になったりすることもあり、「プロとしてはデリカシーがないように感じた」と厳しい評価が下されています。
細部にまでこだわり抜いた映像美とは裏腹に、音響面には改善の余地があった、ということなのでしょうか。
これらの指摘を聞くと、「もう一度『君の名は。』を観て、プロの視点を実際に確かめてみたい!」と思いませんか?
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まとめ:「君の名は。」を新たな視点で楽しむ
『君の名は。』は、確かに「泣ける映画」「感動するロードドラマ」として、多くの人々に愛される素晴らしい作品です。しかし、プロの視点から見ると、そのアニメーション表現や音響には、より深く踏み込んだ「アニメならでは」の工夫が求められるという、興味深い指摘がされていました。
今回ご紹介したプロの評論を頭に入れながら『君の名は。』を観ると、これまで気づかなかった映像の意図や音響のバランスに注目し、作品の新たな側面を発見できるかもしれません。ぜひ、あなたの目で、耳で、その真価を確かめてみてくださいね。
