アニメ史にその名を刻む金字塔、『魔法少女まどか☆マギカ』。放送から10年以上経った今もなお、その深遠な世界観や衝撃的な展開は多くのファンを魅了し、新たな考察が生まれ続けています。
中でも特に有名なのが「ワルプルギスの夜=暁美ほむら説」。一見すると突飛なこの説ですが、実は多くの根拠に裏打ちされており、そのコメント欄では様々な意見が飛び交っています。今回は、この「ワルプルギスの夜=暁美ほむら説」を深掘りし、代表的な反論にも一つ一つ回答しながら、その可能性を探っていきましょう。
ワルプルギスの夜=暁美ほむら説の根拠とは?
まずは、この説がなぜ生まれたのか、その根拠を詳しく見ていきましょう。知っている方も、改めてその巧妙さに驚かれるかもしれません。
1. 名称の由来に隠された共通点
「ワルプルギスの夜」という名称は、ゲーテの戯曲『ファウスト』の最終章「ヴァルプルギスの夜」に由来すると言われています。『まどマギ』は『ファウスト』を元ネタにしているとされており、まどかの魔女化後の名前「グリーフシード」もファウストのヒロイン名からきています。
そして、この「ヴァルプルギスの夜」は、北欧で明け方まで火を焚いて騒ぐお祭りでもあります。ここに、暁美ほむらとの共通点が見出されます。
- 「暁美」は「美しい暁」、つまり「美しい夜明け」。
- 「ほむら」は「炎」、つまり「焚き火」を連想させます。
この名前の組み合わせが、「美しい夜明けに焚き火をするお祭り」を彷彿とさせ、ワルプルギスの夜とほむらを繋ぐ最初のヒントとされているのです。
2. 能力の発動条件の一致
ワルプルギスの夜の説明文には、「普段逆さの位置にある人形が上部へ来た時、暴風のごとき速度で飛行」とあります。つまり、ワルプルギスの夜は「体をひっくり返すこと」で能力が発動するのです。
一方、ほむらは自身の武器である盾をひっくり返すことで時間を操作しています。この「ひっくり返す」という動作が、両者に共通する能力発動条件として指摘されています。
3. 象徴的な「歯車」の多用
ワルプルギスの夜の本体は、実は巨大な歯車だと考えられています。この歯車が本気を出した時に舞台の役割を果たし、上のスカート部分が舞台の幕の役割を果たすことから、「舞台装置の魔女」という別名も考察されています。
そして、暁美ほむらもまた、物語の中で頻繁に歯車を登場させています。
- ほむらの部屋の装飾に歯車が多く見られます。
- 彼女の武器である盾は、時間操作のための歯車として機能します。
- ほむらが魔女になった際、歯車を用いた攻撃を繰り出します。
これらの共通点は、偶然とは片付けられないほど不気味な一致を見せています。
4. キュゥべえの意味深な発言
ワルプルギスの夜に挑むほむらについて、まどかとキュゥべえが会話するシーンがあります。キュゥべえは「いざとなればこの時間軸もまた無にして、ほむらは戦い続けるだろう。何度でも性懲りもなく、この無意味な連鎖を繰り返すんだろう」と発言します。
この発言は、キュゥべえがワルプルギスの夜とほむらの関連性に気づいており、「ほむらがどれだけ強くなろうと、ワルプルギスの夜も同じだけ強くなるため、決して勝てない」という無意味な連鎖を示唆していると考察されています。
「ワルプルギスの夜=暁美ほむら説」への代表的な反論と徹底回答
これほどまでに説得力のある「ワルプルギスの夜=暁美ほむら説」ですが、もちろん反論も存在します。ここからは、それらの反論に対し、考察と理論でどう回答できるのかを見ていきましょう。
反論1:ほむらが魔法少女になる前からワルプルギスの夜は存在した?
「ほむらがまだ魔法少女ではない時間軸でも、ワルプルギスの夜は出現している。もしほむらがワルプルギスの夜なら、ほむらが魔女化していないのに存在するのはおかしい」という反論です。
この反論に回答するためには、ほむらの「願い」と「時間遡行能力」の真の意味、そして「世界線理論」を理解する必要があります。
ほむらの願いの真の意味と皮肉な結末
ほむらの願いは、「鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」というものでした。しかし、『まどマギ』の願いは常に皮肉な結末を招きます。
まどかを「守る」ためには、まどかを脅かす「敵」が必要です。アニメ第1話でその役割を果たし、作中で最強のまどかを何度も殺し続けたのが、まさにワルプルギスの夜でした(原作者によると最大1000回は殺しているとか)。しかし、それは「その回数分だけまどかを助ける私になっている」とも解釈できます。
ワルプルギスの夜の別名「回り続ける愚者の象徴」そして「舞台装置の魔女」という説明は、まどかを助けるために、自ら敵を作り出し、ひたすら自作自演を繰り返すほむらの「愚かな自演」の象徴であり、その舞台装置としての役割を果たしている、と考えることができます。もしこの説が正しければ、ワルプルギスの夜の名前が不明であること(ほむらの願いによって生み出された存在のため本名がない)も納得がいきます。
ほむらの時間遡行能力と世界線理論
『まどマギ』の世界では、魔法少女が魔女になった際、その固有能力が引き継がれると考えられています。例えば、さやかちゃんの魔女(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)は剣を使い、治癒の力も引き継いでいました。つまり、ほむらが魔女になった場合、時間操作の能力を受け継いでいる可能性が高いのです。
ここで重要なのが「世界線理論」です。時間遡行にはタイムリープ(記憶だけが過去に飛ぶ)とタイムトラベル(体ごと過去に飛ぶ)がありますが、ほむらの時間遡行は基本的にはタイムリープです。しかし、ソウルジェムを持った状態で目覚めることから、肉体の変化や願いを叶えるためであればタイムトラベルも可能だと解釈できます。
さらに、まどマギの世界では、無数の可能性が分岐して存在する「世界線」が概念として存在します。ほむらは、まどかを助けられる世界線を求めて、時間軸だけでなくこの世界線をも移動しているのです。
これらの考察を踏まえると、ワルプルギスの夜も同様に、時間操作能力を持ち、タイムトラベルと世界線移動が可能だと考えられます。そのため、「魔法少女ではないほむらの世界線」であっても、「別の世界線からほむらの願いを叶えるためにワルプルギスの夜が現れる」という形で、反論を回答できるのです。
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反論2:ワルプルギスの夜の使い魔が円環の理側にいる?
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』で、円環の理側にいたワルプルギスの夜の使い魔(緑色の増産)が、ほむらを迎えに来たという描写があります。ほむらがまだ魔女化していないのに使い魔がいるということは、ワルプルギスの夜はすでに倒されているはずなので、ほむらではないという反論です。
これも先述の「世界線理論」で説明が可能です。円環の理側が倒したのは「別の世界線のワルプルギスの夜」であるため、円環の理側にワルプルギスの夜の使い魔がいても矛盾は生じません。
反論3:ワルプルギスの夜は「歴史の中で語り継がれる魔女」である?
ワルプルギスの夜は作中で「歴史の中で語り継がれる魔女」と説明されています。「ほむらがまどかがいるところにしか現れない(=歴史に関係ないところに現れない)」とすれば、この説明と矛盾するという反論です。
この反論に対しても、ワルプルギスの夜がタイムトラベル能力を持つことで、「歴史の中で語られる存在になった」と説明できます。しかし、これだけでは「なぜ歴史に関係ない場所に行くのか」という点が弱いです。
ここで一つの考察が加わります。それは、新作劇場版『ワルプルギスの回転』が、この部分の謎を解き明かすのではないかという説です。ざっくり言えば、過去の瞬間にほむらがまどかを助けに現れるたびに、その前にワルプルギスの夜が必ず現れ、まどかを殺してしまう。その結果、歴史のいたるところにワルプルギスの夜が存在することになった、という可能性です。
この説の根拠として、公式PVでまどかの衣装が通常の魔法少女の姿であること(アルティメットまどかは過去にしか存在しない)、そして元ネタ『ファウスト』の第二部で主人公が過去の神話世界を冒険するという要素が流用されるのではないか、という点が挙げられます。
ワルプルギスの夜についての小話:さらに深まる謎
最後に、ワルプルギスの夜に関する興味深い小話をいくつかご紹介します。
原案では「演劇の魔女」だった?
ワルプルギスの夜は、原案の段階では「演劇の魔女」だったそうです。しかし、最終的に「舞台装置の魔女」となったのは、すでに別の「演劇の魔女」が存在しているからではないか、と考察されています。そして、その「演劇の魔女」こそが暁美ほむらではないか、という大胆な予想も。
ワルプルギスの夜の本体が歯車、スカートが幕とすれば、舞台に欠けているのは「演者」です。公式の説明ではワルプルギスの夜が「複数の魔女の波動によりああいう魔女になった」とあるため、ワルプルギスの夜が本気になった時、ほむらが「演劇の魔女」として組み込まれる可能性も考えられています。
『叛逆の物語』の最後で、ほむらはまどかに「あなたは私の敵になるかもね」と発言しつつも、「でも構わない。それでも私はあなたが幸せになれる世界を望むから」と続けています。もしかしたら、ほむらがワルプルギスの夜としてまどかの前に立ちはだかる、そんな悲劇的な世界線も存在するのかもしれません。
ワルプルギスの夜の発生条件は「まどかとほむらが一緒にいること」?
これは一つの仮説ですが、ワルプルギスの夜の発生条件は「まどかとほむらが一緒にいること」ではないか、という考察もあります。なぜなら、ほむらの願いである「鹿目さんに守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」が、まだ完全に果たされていないからです。
アニメ版ではまどかがアルティメットまどかになり、叛逆の物語ではほむらが神様だまどかを助けているとは考えにくいです。キュゥべえは契約を必ず守るため、もし新作映画で万が一、普通の少女としてほむらとまどかが幸せに暮らすことが叶ったとしたら、その時こそワルプルギスの夜が現れて二人の幸せを打ち砕く、という展開もあり得るかもしれません。
まとめ:終わらないまどマギ考察の深淵へ
「ワルプルギスの夜=暁美ほむら説」を改めてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか? 根拠の一つ一つが作品に散りばめられた伏線のように感じられ、以前にもまして有力な説に思えてきます。
10年以上前の作品にもかかわらず、これほどまでに奥深く考察が尽きない『魔法少女まどか☆マギカ』。その物語の魅力は、時間や次元を超えて私たちを惹きつけてやみません。まだご覧になっていない方はもちろん、かつて観た方も、もう一度この珠玉の物語に触れて、あなたなりの「真実」を見つけてみてはいかがでしょうか。
