2022年に公開され、大ヒットを記録した新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』。その圧倒的な映像美と壮大な物語は多くの人々を魅了しました。しかし、希代のオタク評論家・岡田斗司夫氏は、この作品に新海監督の「国民作家への魔改造」を見て取り、その裏に潜む「頭のおかしい部分がなくなった」ことへの寂しさを吐露しています。
新海誠監督の「国民作家への魔改造」とは?
岡田斗司夫氏が注目するのは、新海誠監督のキャリアを通じた作家性の変化です。
- 初期(『星の声』): 個人の水々しい感性を全力でぶつける、まさに「作家」そのもの。ジョージ・ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』やスピルバーグの『激突!』のような瑞々しさを感じたといいます。
- メジャーへの転換(『君の名は。』): ジョージ・ルーカスにとっての『スター・ウォーズ』、スピルバーグにとっての『ジョーズ』に匹敵する大転換点。メジャーになっても作家性を保ちつつ、大スケールで作品を撮れるようになったと評価。
- 『天気の子』以降: ここから新海監督は意図的に作家性を「我慢し」「ずらし」、自らを「国民作家へと魔改造」していると岡田氏は分析します。これはプロデューサーを含め「大成功」だったと評しつつも、岡田氏個人の視点からは「凶器のような、頭のおかしい部分がどこにもない」ことに物足りなさを感じているようです。
岡田氏は宮崎駿監督や庵野秀明監督、藤本タツキ氏といった「頭のおかしい作家」を好むため、新海監督の「魔改造」は成功しつつも、個人的な好みとは乖離していった、と語ります。
『すずめの戸締まり』は「ほとんどの日本人にぴったりの映画」
『すずめの戸締まり』に対する岡田氏の採点は88点。これは「普通の人」にとっては満点に近い高評価だと言います。岡田氏は、年に1、2本しか映画を見ない層、つまり「絶対に面白くて、絶対に感動できて、家族みんなで楽しめて、損がない映画」を求める層にとって、本作は「間違いない」と太鼓判を押します。映像の美しさ、次々と起こる事件で飽きさせないロードムービーとしての構成は、「めちゃめちゃ綺麗な風景のロードムービー」として万人におすすめできると評しています。
特に、「うしおととら」に例えるユニークな視点も披露。日本全国を巡り、傷ついた人々を救いながら戸締まりをしていく主人公の姿は、まさしく現代版「日本全国妖怪ナパ機構」だというのです。
岡田斗司夫が指摘する「不満点」と「違和感」
一方で、映画を大量に見る岡田氏だからこその「不満点」も明確に指摘します。
- リアリティの欠如と無限体力: 主人公すずめの「体力が無限」であること。山道を何度も走り続けるシーンなどに「こんなことある?」とツッコミを入れています。リアルに描かれた背景とのギャップが、この「嘘」を際立たせてしまうと指摘。
- テーマ性と思想性のバランス: 「テーマ性が強くなった分、思想性が低い」という独特の評価。国民作家になろうとする義務感から、自分の内にはないテーマを優秀な演出力で作り出しているため、話が「ガキっぽい」「薄味」になってしまっていると語ります。
- 大臣と犠牲の問題: 地震を止める「要石」である大臣(猫のような存在)が、主人公の都合で再び要石にされてしまうことに対する「痛み」や「葛藤」の欠如を指摘。「なぜ主人公は、大切な人を犠牲にしない選択をできたのか?」という視聴者からの問いに対し、岡田氏は「世の中はそういうものだという残酷な現実を突きつけている」と冷静に分析します。
これらの「違和感」は、見方によっては「感動」の一種であると岡田氏は脳科学的な視点から解説します。脳は無意識に判断し、体が動いてから理由を探すもの。だからこそ、素直に感動できなくても、そのやりきれない思いやモヤモヤこそが、深層での感動に繋がっているのかもしれません。
あなたもこの『すずめの戸締まり』が持つ、深く考察したくなる「違和感」と、圧倒的な「映像美」を体験してみませんか?
話題の『すずめの戸締まり』を観て、あなた自身の目で新海誠監督の「魔改造」の真意、そして日本のエンターテイメント界の今を感じ取ってください。まだ観ていない方はもちろん、岡田斗司夫氏のユニークな視点を知った上で再視聴するのもおすすめです。
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宮崎駿を超えたか?アニメ界は「乱世」に突入!
近年、新海誠監督をはじめ、川村元気プロデューサー、庵野秀明監督など、次世代のクリエイターたちが目覚ましい活躍を見せています。ネットでは「宮崎駿監督やスタジオジブリを超えたのではないか」という声も聞かれますが、岡田氏はこれを「不毛な議論」と一蹴します。
岡田氏にとって、宮崎駿監督は「唯一無二」の存在。他の監督は「自分でほぼ全カットのラフを入れて、とんでもない成功を納める」宮崎監督とは「競技種目が違う」とまで言い切ります。つまり、そもそも比較対象にならない、という見解です。
その上で岡田氏が強調するのは、宮崎駿監督の引退(実質的なスタジオ解散)によって、日本のアニメ界は「軍雄割拠の時代」、すなわち「乱世」に突入したという見方です。これまで業界を支配していた「超巨大なや」がいなくなったことで、スタッフも「取り放題」となり、小さなスタジオやクリエイターが活躍できる「ゴールドラッシュ」が始まったと楽観的に分析しています。これは世界情勢におけるアメリカの一強時代終焉にも似ていると、独自の視点で語るのです。
まとめ:『すずめの戸締まり』から見えてくる、新海誠とアニメ界の今
『すずめの戸締まり』は、新海誠監督が国民作家として「魔改造」を遂げ、より多くの観客に届けるために生み出された、エンターテイメントの頂点に立つ作品です。一方で、岡田斗司夫氏のように、その完璧さの中に「作家性」や「リアリティ」の物足りなさを見出す層もいます。
しかし、こうした多様な解釈や議論こそが、作品の奥行きを深め、アニメ界全体を盛り上げていく原動力になるのではないでしょうか。『すずめの戸締まり』を観て、あなたは何を感じ、何を考えますか? この機会にぜひ、あなた自身の目で、新海誠監督の「今」と、激動のアニメ界「乱世」の幕開けを体験してみてください。
