こんにちは、映画ファンの皆さん!新海誠監督の大ヒット作『すずめの戸締まり』、もうご覧になりましたか?その映像美と物語の深さに、きっと心を揺さぶられたことでしょう。
一度観ただけでは全ての謎を解き明かせない、そんな奥深さも本作の魅力ですよね。今回は、『すずめの戸締まり』をさらに深く理解するための徹底解説・考察をお届けします。作中に散りばめられた深淵な設定や、一見謎めいたシーンの真相に迫っていきましょう。
この考察は、映画のパンフレットや各種情報に加え、作品を何度も観て感じた個人的な解釈も多分に含んでいます。新たな視点を見つけるきっかけとして、ぜひ最後までお付き合いください。
【注意】この記事には『すずめの戸締まり』、そして新海誠監督の過去作『君の名は。』『天気の子』のネタバレが含まれる可能性があります。未鑑賞の方は、ぜひ映画を観てからお読みいただくことを強くお勧めします。
『すずめの戸締まり』主要考察ポイントを深掘り!
スズメが扉を閉じられたのはなぜ?都閉じ師の条件
主人公・鈴芽は、都閉じ師ではないにもかかわらず、椅子に変えられた草太の代わりに扉を閉じることができました。一体なぜ、彼女にそれが可能だったのでしょうか?
その答えは、彼女が無意識のうちに「扉を閉じる条件」を満たしていたことにあります。小説版でも言及されているように、都閉じ師の条件は主に二つ。
- 扉を閉じる「鍵」を持っていること。
- 常世(とこよ)の存在を認知していること。
鈴芽は幼い頃、亡き母を求めて常世に迷い込んだ経験があります。この出来事こそが、彼女に常世の存在を無意識的に認知させ、都閉じ師の条件を満たすきっかけとなったのです。鍵を持つ草太と、常世を認知する鈴芽の運命的な出会いによって、日本列島を襲う災いは食い止められました。
靴に隠されたスズメの成長の軌跡
本作において、鈴芽の成長や置かれた境遇を示す象徴的なアイテムとして「靴」が用いられています。
4歳の鈴芽が常世で母を探すシーンでは、泥だらけのコンバースを履いています。そして、成長した鈴芽が草太を探す旅に出る際にはローファーを着用。しかし、草太との距離が離れていくにつれ、そのローファーも片方ずつ失われてしまいます。
ですが、草太を救うという固い決意を胸に、鈴芽はなんと草太の靴を履いて故郷へと向かい、見事に彼を救い出します。このように、靴は鈴芽の心情や状況変化にリンクするアイテムとして描かれており、彼女が様々な困難を乗り越えていくアクションシーンでも印象的に活用されています。
さらに注目すべきは、映画冒頭の未来の鈴芽が4歳の鈴芽に歩み寄るシーン。よく見ると、未来の鈴芽が草太の靴を履いていることが分かります。これは、鈴芽が草太の家に身支度をして彼の靴を履くシーンの時点で、4歳の鈴芽に椅子を渡したのが未来の鈴芽である、という伏線にもなっているのです。
大臣の真の目的と行動の謎
作品中で最も不可解な存在であり、鈴芽と草太の運命を大きく狂わせた張本人、それが猫の「大臣」です。その予測不能な行動や存在自体に多くの謎があり、作品の理解を難しくしていたと感じる方もいるかもしれません。
大臣の目的について様々な考察がありますが、一つの解釈として考えられるのは、「ミミズを常世に留めるため、要石を適切な位置に再配置すること」です。ミミズを常世に閉じ込めておくには、時代に応じて最適な場所に要石を配置し直す必要があります。大臣は、自分が要石としての力が弱まっていることを察し、鈴芽に要石を抜かせ、そして草太を案内することで災害を防ぎ、最終的に自らと左大臣が再び要石となったのではないでしょうか。
しかし、この解釈では、なぜ草太を椅子に変えてしまったのかという疑問が残ります。この不可解な行動については、「鈴芽に優しくされたことで、要石の役割を放棄したかった」という、もう一歩踏み込んだ考察も可能です。何十年、何百年と要石の役割を担ってきた大臣は、現世に戻れたことで自由を満喫したかったのでしょう。そして、自分のパートナーとして鈴芽を選び、邪魔な草太を椅子に変え、正しい要石の場所へと二人を案内した、と考えると、その奇妙な行動にも合点がいきます。
まとめると、大臣は要石の役割を担う神の一種であり、自由を求めてその役割を一時的に放棄したものの、鈴芽と草太を再会させるため、そして再び正しい場所で要石としての役割を全うすることを選んだ、少し悲しい神様と捉えることができるでしょう。
日本を猫の姿で旅し、鈴芽という好きな人を見つけ、旅の過程で自分の過去である要石の役割と向き合い、再び要石へと戻る――実は、鈴芽も大臣も、自らの過去と向き合い、未来へと進むという点で同じ過程と結果を迎えています。まさに、大臣はもう一人の主人公と言える存在ですね。
大臣とスズメ、そして玉木さんの関係性に見る「家族」のテーマ
大臣は本作において非常に重要な役割を担っていますが、その大臣と鈴芽の関係性は、実は鈴芽と叔母の玉木さんの関係性とも深くリンクして描かれています。
大臣がガリガリの姿で鈴芽を見つめ、鈴芽が大臣に対して「うちの子になる?」と声をかけるシーン。これは、被災地でうずくまっていた4歳の鈴芽に、玉木さんが「うちの子になろう」と声をかけたシーンと重なります。
そして、大臣は鈴芽が気にかけるにもかかわらず、大切な草太を椅子に変え、鈴芽を翻弄しながら日本縦断の旅へと誘います。鈴芽と玉木さんの関係も同じ構造です。玉木さんの心配をよそに、鈴芽は草太を助けるため勝手に旅に出てしまいます。このように、大臣と鈴芽、そして鈴芽と玉木さんの関係には、「自分の家族へ誘い、それぞれ相手の心配や不安をよそに勝手に行動する」という共通点が物語の随所に現れています。
ここで重要なのは、大臣との旅を通じて、鈴芽が「保護者の視点」を見出していったこと。大臣の本当の目的を知った鈴芽は、一度は突き放した大臣と協力して草太を救い出します。同様に、鈴芽の目的を知った玉木さんも、詳細は分からなくても自分の娘(鈴芽)を信じ、旅に同行します。
自分の子供を信じる経験を経て、鈴芽は玉木さんの心情や心配を共有できるようになりました。だからこそ、ボロボロの自転車で実家に向かうシーンで、玉木さんが自分の本音を伝えたことを謝った時、鈴芽はそれを受け入れることができたのです。玉木さんが「鈴芽を育てることが辛いと思ったことはあるが、それだけではなかった」と伝えたこのシーンは、本作のロードムービーとしての終着点でもあり、深い家族の愛情が描かれています。
大臣と鈴芽と玉木さん。この3人の関係性が、本作の「家族」というテーマの軸になっていたと言えるでしょう。
ちなみに、劇中では流れませんでしたが、RADWIMPSが「環とすずめの涙」という曲を作っています。映画鑑賞後に聴くと、これがたまらなく泣けるので、ぜひ一度聴いてみてください。
要石の役割と、その知られざる歴史
要石は、ミミズを2箇所で抑えるために必要な役割を担っています。ミミズは常世に住んでおり、扉を通じて現世に震災を及ぼそうとします。扉を閉じることができればミミズを常世に閉じ込めておくことができますが、大災害が起きる際には扉を閉じるだけでは不十分です。そこで、ミミズの頭と尻尾に釘を刺すように、その力を抑制しているのが二つの要石なのです。
この要石については、もともと人間が呪いを受け要石になった、などの説もありますが、一つの考え方として、神の名を宿した動物が過去に要石の役割を担ってきたのではないでしょうか。草太の祖父である羊朗(ひつじろう)が鈴芽に対して「草太はこれから何十年もかけ、神を宿した要石になっていく」と語っていることから、「神を宿す」という点が重要な条件だと考えられます。
さらに、草太が要石になっている間、彼は常に海岸で椅子に座って離れられなくなっていました。その海岸には、無数の動物と思われる骨が横一列に並んでいました。これがおそらく、過去に要石を担ってきた動物たちの痕跡なのではないでしょうか。つまり、基本的には神の名を冠する動物たちが要石の役割を受け継いできたが、時代の流れの中で草太のように人間がその役割を担うこともあった、と推測できます。
ラストシーン「おかえり」に込められた、新海誠監督の真のメッセージ
『すずめの戸締まり』での最後のセリフは、鈴芽から草太への「おかえり」でした。この一言が心に残り、思わず涙が溢れた方も多いのではないでしょうか。
映画鑑賞直後には何がそこまで心に刺さったのか言語化しにくいかもしれませんが、改めて振り返ると、この映画を通して「日常」や「これまでの日々」への感謝を感じたからだと考えられます。
鈴芽は今回の旅を通じて、草太を失うという経験をしました。しかし、彼を思う気持ちを持ち続けたことで、草太と再会することができ、旅を通じて過去の自分を肯定することができました。この物語は、「行って帰ってくる」というごくシンプルな日常の出来事が叶わなくなってしまうことへの恐怖、そして「おかえり」という言葉に込められた安心感が一気に押し寄せ、涙を誘ったのだと思います。
もちろん、東日本大震災に限らず、もう二度と「おかえり」を言うことができない人はたくさんいます。だからこそ、今私たちが歩んでいる人生は、誰のためでもなく自分のために、前を向いてしっかり輝いて歩んでいるのだと、4歳の鈴芽と今の鈴芽の会話を通して伝えたかったのではないでしょうか。
このラストの「おかえり」という言葉こそが、新海誠監督が一番伝えたかったメッセージだったと強く感じます。
この考察を読んで、もう一度『すずめの戸締まり』を観たくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?あの感動のラストシーンや、見逃していた細かな伏線を、今すぐ確認したくなりませんか?
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まとめ
『すずめの戸締まり』深掘り動画パート2の解説考察はこれで終了です。今回は、都閉じ師の条件、靴の象徴性、大臣の真の目的、家族のテーマ、要石の役割、そして感動のラストシーン「おかえり」に込められたメッセージについて解説してきました。
ところどころ荒い考察もあったかもしれませんが、少しでも新たな視点が見つかり、本作の理解が深まったなら幸いです。
新海誠監督の作品は、観るたびに新たな発見と感動を与えてくれます。次の作品は2025年頃になると言われていますね。それまでにもう一度、そして何度でも『すずめの戸締まり』を見返し、その魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次の映画でお会いしましょう!
