【ネタバレ注意】『メタルギア』シリーズ全機種を徹底解説!核搭載兵器の進化と物語の深層を考察

あなたは「メタルギア」という名前を聞いて、どの巨大兵器を思い浮かべるでしょうか? ステルス核弾頭を搭載した恐竜のようなREX? それとも、対メタルギア用に開発された水陸両用のRAY?

『メタルギア』シリーズは、その革新的なゲームプレイだけでなく、深く練り込まれたストーリーと、そこに登場する魅力的な兵器たちの存在も、世界中のファンを熱狂させてきました。核ミサイルを発射できる二足歩行戦車という、その原初のコンセプトから生まれた兵器たちは、物語の進行と共に驚くべき進化を遂げ、時には人間とは異なる哲学や思惑を体現してきました。

本記事では、「兵器は時代を動かす歯車である」という哲学のもと、その誕生の秘密から進化の軌跡まで、シリーズを彩った歴代メタルギアたちを時系列順に徹底解説します。開発者たちの狂気と情熱、そしてメタルギアが背負う物語の深層に迫ることで、きっとあなたの「メタルギア」観がより一層深まることでしょう。

  1. 「メタルギア」とは何か?兵器が時代を動かす歯車の哲学
    1. グラーニンの原案と「金属の歯車」という名の兵器
  2. 【時系列順】歴代メタルギア12機種の全貌
    1. メタルギア簡易比較表
    2. 1. 世界初の核搭載二足歩行戦車:ピースウォーカー (MGS PEACE WALKER)
      1. 開発の背景と「平和歩行計画」
      2. ザ・ボスAIと自動報復の真実
      3. 兵器とは思えない愛らしいデザイン?
    3. 2. プレイヤーと共に成長する相棒:メタルギアZEKE (MGS PEACE WALKER)
      1. MSFマザーベースでの開発とカスタマイズの魅力
      2. ピースウォーカーの核弾頭を継承
    4. 3. 狂気の直立二足歩行兵器:サヘラントロプス (MGSV: THE PHANTOM PAIN)
      1. ヒューイとスカルフェイス、そして欠陥兵器の誕生
      2. メタリックアーキアとサイコ・マンティスの能力
      3. 直立二足歩行への執念と戦闘の苦闘
    5. 4. 表の歴史に名を刻んだ初代:TX-55 メタルギア (METAL GEAR)
      1. マッドナー博士の独自技術とアウターヘブン蜂起
      2. シンプルながらも無骨な兵器デザイン
    6. 5. TX-55の後継機、更なる武装強化:メタルギアD (METAL GEAR 2 SOLID SNAKE)
      1. ザンジバーランド蜂起とマッドナーの執念
      2. 進化と未解決の弱点
    7. 6. シリーズの象徴:メタルギアREX (METAL GEAR SOLID)
      1. シャドーモセス島事件と騙された開発者オタコン
      2. ステルス核弾頭発射システムとセラミックス複合装甲
      3. 覗き窓の弱点とリキッド・スネークの搭乗
      4. MGS4でのファンサービス!
    8. 7. 対メタルギア用メタルギア:メタルギアRAY (METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY)
      1. REX拡散への対抗と海兵隊の戦略兵器
      2. 水陸両用・人工筋肉が織りなす生物的な駆動
      3. 量産化された運命と「生物の継承」テーマ
    9. 8. シリーズ史上最大の情報統制兵器:アーセナルギア (METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY)
      1. ビッグシェルで進行した極秘計画
      2. 巨大な移動要塞とAI「GW」の役割
    10. 9. 「愛国者達」を揺るがす最終兵器:アウターヘイブン (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)
      1. アーセナルギアの発展と潜水艦形態
      2. REXのレールガンとGWの修復
    11. 10. 新時代の無人二足歩行兵器:月光 (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)
      1. 「核搭載」からの脱却と戦場での役割
      2. 堅牢な装甲と多機能マニピュレーター
    12. 11. スネークを支えた相棒:メタルギアMk.II / Mk.III (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)
      1. オタコンとサニー、平和利用のための「メタルギア」
      2. キュートな外見と驚異のハッキング能力
      3. 「愛国者達」AIネットワーク崩壊への貢献
  3. 『メタルギア』をもう一度深く味わうために
    1. あなたの心に残るメタルギアは?
    2. U-NEXTで『メタルギアソリッド』シリーズを観る!
  4. この動画でおすすめの関連商品

「メタルギア」とは何か?兵器が時代を動かす歯車の哲学

グラーニンの原案と「金属の歯車」という名の兵器

「メタルギア」という兵器の原案は、ウラニウム設計局長であるアレクサンドル・レオノヴィッチ・グラーニンによって考案されました。彼は、兵器が時代を動かす「歯車」であり、自分自身をその兵器と兵器をつなぐ「歯車」だと考え、開発中の新兵器に「金属の歯車」を意味する「メタルギア」と名付けたのです。

そのコンセプトは、核ミサイルを発射できる核搭載二足歩行戦車であり、単独での作戦行動が可能という、当時の常識を覆すものでした。多くの者がその発想に驚き、あるいは狂気を感じましたが、このグラーニンの設計計画書が後のメタルギア開発の礎となっていきます。時には開発者の狂気、時には平和への切なる願いが込められたこの兵器群の歴史を、あなたと共に紐解いていきましょう。


この記事には作品のネタバレが濃厚に含まれています。ご注意ください。


【時系列順】歴代メタルギア12機種の全貌

ここでは、『メタルギア』サーガを彩った主要なメタルギアたちを、登場作品と併せて時系列順に解説していきます。それぞれの機体が持つ特徴や、物語における役割を比較しながら読み進めてみてください。

メタルギア簡易比較表

メタルギア名 登場作品 開発者 (主な) 核搭載の有無 主な特徴
ピースウォーカー MGS PEACE WALKER ヒューイ、ストレンジラブ 世界初の核搭載二足歩行戦車(歴史的に)。AIによる絶対的核抑止力
メタルギアZEKE MGS PEACE WALKER ヒューイ、ストレンジラブ プレイヤーがカスタマイズ可能。有人コックピット。
サヘラントロプス MGSV: THE PHANTOM PAIN ヒューイ (スカルフェイスの指示) 間接的 (アーキア) 直立二足歩行。メタリックアーキアで自爆。サイコ・マンティスで制御
TX-55 メタルギア METAL GEAR ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー 表の歴史に名を刻んだ初代。アウターヘブン蜂起で登場
メタルギアD METAL GEAR 2 SOLID SNAKE ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー TX-55後継機。ザンジバーランド蜂起で登場。武装強化
メタルギアREX METAL GEAR SOLID ハル・エメリッヒ(オタコン) シリーズの象徴。ステルス核弾頭発射システム。シャドーモセス島事件
メタルギアRAY METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY アメリカ海兵隊 対メタルギア用メタルギア。水陸両用、生物的なフォルム
アーセナルギア METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY エマ・エメリッヒ他 有 (多数のミサイル) シリーズ史上最大。水中航行のみ。大規模情報統制AI「GW」搭載
アウターヘイブン METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS (オセロット指揮) アーセナルギアの発展型。潜水艦形態。GWの修復版を搭載
月光 METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS アームズテックセキュリティ社 無人二足歩行兵器。新時代のメタルギア。対人・対兵器制圧
メタルギアMk.II / Mk.III METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS オタコン、サニー 無 (非兵器) スネークのサポート用ロボット。キュートな外見とハッキング能力

1. 世界初の核搭載二足歩行戦車:ピースウォーカー (MGS PEACE WALKER)

開発の背景と「平和歩行計画」

1974年に登場したピースウォーカーは、「世界で初めて誕生した核搭載二足歩行戦車」として歴史に名を刻みました(厳密には、これ以前に『メタルギアソリッド ポータブル・オプス』にルチャや弾道メタルギアが登場しますが、これらは「飛行型に近い」性質を持つため、グラーニンの「二足歩行」というコンセプトからは外れるとされています)。

キューバ危機を背景に、AIの判断による絶対的な核抑止力を実現するため、「平和歩行計画」の集大成として開発されました。開発の中心を担ったのは、後にビッグ・ボスの片腕となるヒューイ・エメリッヒ博士と、彼の同僚であるストレンジラブ博士です。グラーニンが残した設計図がその基礎となりました。

ザ・ボスAIと自動報復の真実

ピースウォーカーの最大の特徴は、AI(人工知能)による自動報復攻撃システムです。核攻撃を探知すると、ビッグ・ボスの師であり、伝説の兵士であるザ・ボス(The Boss)の思考パターンを基に形成された擬似人格AIが報復攻撃を判断し、1メガトン級の核ミサイルを発射。場合によっては自爆による自動報復も行います。

レプタイルポッド(頭部・姿勢動作制御)とママルポッド(胴体後部・核報復・戦略判断)の二つのAIが、それぞれ小脳と大脳の役割を担い、核シェルター並みの堅牢な装甲で守られています。

兵器とは思えない愛らしいデザイン?

そのコンセプトは恐ろしいものですが、外見は他のメタルギアに比べてどこか可愛らしく、特徴的な頭部のフォルムは、まるで野生のポケモンを捕獲するモンスターボールのようだと感じたファンも少なくないでしょう。しかし、その見た目とは裏腹に、世界規模の核抑止という壮大なテーマを背負った、シリーズの出発点とも言える重要な兵器です。

2. プレイヤーと共に成長する相棒:メタルギアZEKE (MGS PEACE WALKER)

MSFマザーベースでの開発とカスタマイズの魅力

ピースウォーカーと同じく『メタルギアソリッド ピースウォーカー』に登場するメタルギアZEKE(ジーク)は、ビッグ・ボス率いる国境なき軍隊(MSF)のマザーベース内で開発・建造されました。

ZEKEとは、第二次世界大戦中にアメリカが日本の戦闘機「零戦」に付けたコードネームに由来します。ヒューイ・エメリッヒとストレンジラブが中心となって開発されたこの機体は、歴史上初めて「メタルギア」の名を冠した兵器であり、その最大の特徴は、プレイヤーが自由に機体をカスタマイズできる点にありました。超電磁砲やレドーム、ミサイルポッドなどを自由に組み合わせ、自分だけのメタルギアを創り上げる喜びは、多くのファンを魅了しました。

ピースウォーカーの核弾頭を継承

機能停止したピースウォーカーから回収された1メガトン級の核弾頭を、開発者ヒューイの懇願とビッグ・ボスの許可のもと搭載。強力な武装に加え、パスの工作により後には有人コックピットも設けられます。衝撃緩和用の水で満たされたコックピット内で、搭乗者は潜水用の装備を装着して操縦を行います。

ストーリー内でZEKEを自分の手で開発・完成させるプロセスは、少々手間がかかるものの、その達成感は格別。あなたも、自分だけのZEKEを完成させた時の感動を覚えているのではないでしょうか? レールガンやレドームの配置は、後のメタルギアREXを彷彿とさせ、シリーズファンを熱くさせるポイントです。

3. 狂気の直立二足歩行兵器:サヘラントロプス (MGSV: THE PHANTOM PAIN)

ヒューイとスカルフェイス、そして欠陥兵器の誕生

『メタルギアソリッドV ファントムペイン』に登場するサヘラントロプスは、スカルフェイスの指示により、メタルギアZEKEに引き続きヒューイ・エメリッヒによって開発された、初の準ソビエト連邦製メタルギアです。

「直立二足歩行兵器」というコンセプトは、グラーニンの原案に忠実なものでしたが、技術的観点から開発は非常に困難を極めました。機体制御用AIを内部に組み込んでも性能は大幅にダウンし、コックピットには大人が入り込めないという致命的な欠陥を抱えてしまいます。無人操縦や遠隔コントロールも検討されましたが、技術不足やデメリットの多さから却下され、結果的に「完全に欠陥兵器」と結論付けられました。

メタリックアーキアとサイコ・マンティスの能力

しかし、劇中ではスネークが目覚めてしまったことにより、超能力者サイコ・マンティスの能力を利用して、サヘラントロプスは「動かされる」ことになります。本機は核を直接搭載するのではなく、極限環境微生物「メタリックアーキア」によってウランを濃縮し、それを巨大な核爆弾として自爆させるという、極めて異質な兵器です。この点から、グラーニンの「核搭載二足歩行戦車」という当初のコンセプトとは大きくかけ離れているため、厳密には「メタルギアとは違う」とさえ言われることがあります。

直立二足歩行への執念と戦闘の苦闘

武装は頭部機銃、背部レールガン、股間部火炎放射器のほか、右腕のパイルバンカーや、メタリックアーキアの働きで爆発性の金属塊を隆起させる「アーキアブレード」といった格闘戦装備も充実。腐食性のアーキアグレネードは、戦車などの機械兵器を腐食させて動作不能にする能力を持ちます。

直立二足歩行という、かつて誰もが夢見たであろうフォルムは、多くのファンを熱狂させました。スパンダも、全メタルギアの中で一番戦闘に苦労したと語るほどの手ごわい相手でしたが、その姿はまさに「ロボット兵器」としての魅力を最大限に発揮していましたね。

4. 表の歴史に名を刻んだ初代:TX-55 メタルギア (METAL GEAR)

マッドナー博士の独自技術とアウターヘブン蜂起

1995年、南アフリカのアウターヘブン蜂起で登場したのが、記念すべき初代TX-55 メタルギアです。開発者はソ連の科学者ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー博士。ヒューイらがグラーニンのコンセプトに忠実に開発したメタルギアとは異なり、マッドナー博士は自身の得意とするサイバネティック技術を応用した独自の歩行兵器技術を確立しました。

これは、グラーニンの思想から派生しつつも、独自の進化を遂げた「マッドナーの悪しきメタルギア」と呼べるかもしれません。

シンプルながらも無骨な兵器デザイン

武装は劇中でのバルカン砲とレーザーキャノン、そして多弾頭中距離核ミサイルと、比較的シンプルです。しかし、その無骨でまさに「兵器」然としたデザインは、ジャパニメーション的なヒューイ開発の機体とは一線を画していました。弱点は装甲が弱い脚部であり、ソリッド・スネークによって脚部に大量のプラスティック爆薬を仕掛けられ、起動前に破壊されてしまいます。

ピースウォーカーやZEKE、サヘラントロプスといった機体は、その存在が歴史の闇に葬られました。そのため、世界的に「メタルギア」という名前が表の歴史で知れ渡るのは、このTX-55が最初となります。まさに「メタルギア」伝説の幕開けを告げた機体と言えるでしょう。

5. TX-55の後継機、更なる武装強化:メタルギアD (METAL GEAR 2 SOLID SNAKE)

ザンジバーランド蜂起とマッドナーの執念

1999年、中央アジアのザンジバーランド蜂起に登場したのが、TX-55の後継機であるメタルギアDです。こちらもTX-55と同じくマッドナー博士によって開発され、アウターヘブンでソリッド・スネークに破壊されたメタルギアの後継機として誕生しました。

60mmバルカン砲、機関銃、ホーミングミサイルポッド、スモークディスチャージャー、連装ランチャー、対地空ミサイル、75mmキャノン砲といった多彩な武装に加え、中距離・短距離核ミサイルを合計最大6基搭載可能と、初期型のTX-55からは大幅な武装強化が図られました。

進化と未解決の弱点

しかし、前回致命的だった脚部の装甲の弱さについては改善されず、再びソリッド・スネークによって執拗に脚部にグレネードを投下され、破壊されるという結果に終わります。本作では、核を搭載しない歩行部隊支援用の「量産型メタルギア・グスタフ」も開発されていたことが示唆されますが、劇中に登場することはありませんでした。

6. シリーズの象徴:メタルギアREX (METAL GEAR SOLID)

シャドーモセス島事件と騙された開発者オタコン

2005年、アラスカ沖のシャドーモセス島に偽装された核廃棄処理施設で極秘裏に開発が進められていたのが、恐竜のようなフォルムが印象的なメタルギアREX(レックス)です。『メタルギアソリッド』で初登場し、その圧倒的な存在感でシリーズを象徴する機体となりました。コードネームのREXは、おそらく「T-REX(ティラノサウルス)」に由来すると考えられます。

開発は、国防長官ジム・ハウス、DARPA局長ドナルド・アンダーソン、アームズテック社社長ケネス・ベイカーの主導のもと、ハル・エメリッヒ博士(通称オタコン)を欺き、「戦域ミサイル防衛システム(TMD)のプラットフォーム」と偽って設計・開発されました。

ステルス核弾頭発射システムとセラミックス複合装甲

REXは、ステルス核弾頭発射システムを備え、これを悪用すれば世界の核バランスを崩壊させかねない存在でした。30mmガトリング、対戦車ミサイル、大電力のフリー電子レーザー、パイルバンカー、レドーム、そして左右に超電磁砲を装備し、その攻撃力は絶大です。セラミックス複合装甲を採用した機体は非常に密閉性が高く、高性能な手榴弾でなければ有効なダメージを与えることはできませんでした。

覗き窓の弱点とリキッド・スネークの搭乗

しかし、設計者であるオタコンの「人間も兵器も弱点がなければ可愛くない」というこだわりから、REXには覗き窓が一切ないという決定的な弱点が意図的に組み込まれました。これにより、センサーであるレドームが破壊されると、コックピット内の搭乗者は肉眼で敵を視認しながら操縦せざるを得なくなります。

劇中ではリキッド・スネークが搭乗し、グレイ・フォックスによってレドームが破壊された後、ソリッド・スネークからの容赦ない攻撃を受け機能を停止します。

MGS4でのファンサービス!

そして、『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』では、なんとこのREXをソリッド・スネークが操縦するという、ファン垂涎のサービスが実現しました。多くのファンがこの瞬間を待ち望んでいたことでしょう! スパンダも、この体験には心底感動したと語っていました。メタルギアシリーズといえばREXを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

7. 対メタルギア用メタルギア:メタルギアRAY (METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY)

REX拡散への対抗と海兵隊の戦略兵器

2007年、メタルギアREXのデータがブラックマーケットに拡散し、世界中でその亜種が開発され始めた事態に対抗すべく、アメリカ海兵隊の下で極秘裏に開発されたのがメタルギアRAY(レイ)です。RAYは、REXとは異なり、「対メタルギア用のメタルギア」というコンセプトで設計されました。

コードネームのRAYは、世界最大のエイ「マンタ・レイ」と、第二次世界大戦中に連合国が日本の零戦を別の戦闘機と誤認し与えたコードネーム「レイ」に由来すると言われています。水陸両用型で、沿岸部からの奇襲攻撃を想定した設計が特徴です。

水陸両用・人工筋肉が織りなす生物的な駆動

RAYは、海面から数十メートルも跳躍することができ、人工筋肉技術を用いたアクチュエータを利用した脚部は、歴代メタルギアの中でもトップクラスのしなやかな駆動と強力な脚力を誇ります。武装は両膝の三連装対艦対戦車ミサイル、背部の六連装小型ミサイル、両腕の機銃、そして頭部後部に内蔵された水月カッターなど、攻撃面も非常に優秀です。

重厚なREXの見た目とは対照的に、生物的なデザインが特徴的なRAY。これは『メタルギアソリッド2』のテーマの一つである「生物の継承」を反映しているとも言われています。しなやかな曲面が美しいスタイルは、REXとは異なる魅力を放っていますね。

量産化された運命と「生物の継承」テーマ

しかし、RAYは本来の対メタルギアという目的とは異なり、後に巨大な情報統制兵器であるアーセナルギアやアウターヘイブンの護衛用として設計変更され、大量に量産されることになります。『メタルギアソリッド2』では、多数のRAYが登場し、まるで『マトリックス リローデッド』のエージェント・スミスのようにプレイヤーを追い詰める姿は、多くのファンに絶望感を与えたことでしょう。あなたにとって、REXとRAY、どちらが心に残っていますか?

8. シリーズ史上最大の情報統制兵器:アーセナルギア (METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY)

ビッグシェルで進行した極秘計画

2007年、海上除染施設「ビッグシェル」の地下で極秘裏に開発が進められていたのが、アーセナルギアです。これは『メタルギア』シリーズ史上最大の兵器であり、脚を持たず移動手段は水中航行のみという、従来のメタルギアの定義からはかけ離れた存在でした。

アーセナルギアは、文字通り「動く巨大火薬庫」として、核弾頭をはじめとする数千発以上に及ぶ大量のミサイル兵器を搭載していました。護衛として数十機の量産型メタルギアRAYや、強化外骨格に身を包んだエリート部隊「天狗兵」が配備され、その防御は盤石でした。

巨大な移動要塞とAI「GW」の役割

本機は、核兵器の自由発射による軍事制圧が主目的ではなく、その中枢部に搭載された大規模情報統制装置「光ニューロAI(GW:ジョージ・ワシントン)」を守る役割を担っていました。GWは、「愛国者達」と呼ばれる存在によって構築されたAIネットワークの一部であり、情報の統制と操作を通じて社会を管理しようとする、まさに「時代を動かす歯車」の中枢でした。

開発には、ハル・エメリッヒ博士の義理の妹であるエマ・エメリッヒ・ダンジグも関与しており、その巨大な存在は、シリーズの核となる「情報操作」というテーマを象徴していました。

9. 「愛国者達」を揺るがす最終兵器:アウターヘイブン (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)

アーセナルギアの発展と潜水艦形態

2014年に登場するアウターヘイブンは、アーセナルギアの発展型であり、「第1戦艦」とも呼ばれる存在です。アーセナルギアと同様に潜水能力を有しますが、こちらはより潜水艦に近いデザインで、全長は630mにも及びます。オクトカム(迷彩技術)によって船体そのものを偽装することが可能でした。

複数の戦艦ミサイルを搭載し、側面には量産型メタルギアRAYが多数収納されています。さらに、メタルギアREXから持ち去られたレールガンと、管理外の核弾頭を搭載しており、衛星軌道への核攻撃も行うことが可能という恐るべき能力を持っていました。

REXのレールガンとGWの修復

本機には、エマ・エメリッヒによってワームクラスターで分解されたGWを修復したものが搭載されていました。リキッド・オセロットは、これを「愛国者達」のAIネットワーク内に忍び込ませ、システムに干渉する「ヘイブン(避難所・聖域)」として利用しようと画策します。まさに、物語の最終局面において、世界の運命を左右する鍵となる兵器でした。

10. 新時代の無人二足歩行兵器:月光 (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)

「核搭載」からの脱却と戦場での役割

同じく2014年、『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』に登場する月光(げっこう)は、アームズテックセキュリティ社製の無人二足歩行兵器です。正式名称はアーヴィング。日本帝国海軍の夜間戦闘機「月光」からその名が付けられ、兵士たちはその発音にちなんで「ヤモリ」と呼んでいました。

月光は、これまでのメタルギアと異なり核を搭載していません。REXのような抑止を目的とした従来の戦略兵器としてのメタルギアの役割はすでに終焉を迎え、月光は新時代のメタルギアとして、主に砲兵部隊との共闘や戦地の制圧に多く利用されました。

堅牢な装甲と多機能マニピュレーター

RPGにも耐える堅牢な装甲を持ち、屋内での戦闘も視野に入れた軽量化と高機能化が施されています。脚部を折りたたんだ状態ではトラックでの輸送も可能でした。胴体上部と股間部に搭載された赤外線メインカメラは広い視野を確保しますが、ダンボール箱やドラム缶のような赤外線を遮断する素材の内部を透視することはできません。

機銃、重機関銃、対空ミサイル、対戦車ミサイル、ロケット発射機など、搭載可能なハードポイントも充実しており、小型の無人兵器攻撃機構を搭載することも可能でした。さらに、ワイヤー状のマニピュレーターは、整備作業やタバコを拾う、あるいは戦場での人間を引き離すといった、文字通り「手」としてのパワーも兼ね備えていました。

劇中での月光の奇抜さと動きは、初見のプレイヤーに忘れられないほどの衝撃を与えました。雷電とのバトルシーンは特に印象的で、多くの月光を次々と斬り捨てる雷電の登場シーンは、何度見ても胸が高鳴ります。

11. スネークを支えた相棒:メタルギアMk.II / Mk.III (METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS)

オタコンとサニー、平和利用のための「メタルギア」

同じく『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』に登場するメタルギアMk.II(マークツー)、そしてその発展型のMk.III(マークスリー)は、オタコンとサニーが共同で開発制作した小型ロボットです。

この機体は、スネークのサポート用に開発された遠隔操作端末であり、そもそも「兵器」ですらありません。オタコンは、自身が過去に大量破壊兵器の開発に加担した戒めとして、あえて「メタルギア」の名称を継承させました。可愛らしい動きが特徴で、劇中ではスネークを癒し、スタミナを回復させる役割も担いました。

キュートな外見と驚異のハッキング能力

人間が抱えられる程度の大きさで、車輪付きの脚で歩行・走行を行います。胴体上部には伸縮式の小型カメラ、右側には折りたたみ式のモニター、左側には端末コネクターとマニピュレーターを備えています。このマニピュレーターは、敵を気絶させるスタンガンとして機能するだけでなく、スイッチのオンオフ、トラップの解除、ハッキングなど、多様な作業を可能にしました。ステルス迷彩も備えており、偵察機としても利用できます。

小島秀夫監督の作品『スナッチャー』に登場した同名のロボットがモチーフとなっており、開発目的も平和利用という、まさにシリーズの希望を象徴する存在です。

「愛国者達」AIネットワーク崩壊への貢献

最終決戦では、オタコンがMk.IIIを使ってアウターヘイブン内のGWサーバーにアクセスし、サニーがナオミから渡されたプログラムをエマのワームクラスターに落とし込んで作成したウイルスプログラム「FOXDIE」を送り込むという、「愛国者達」AIネットワーク全体を崩壊させる極めて重要な役割を果たすことになります。可愛らしい見た目からは想像もつかない大役を見事に果たした、まさに縁の下の力持ちでした。

『メタルギア』をもう一度深く味わうために

あなたの心に残るメタルギアは?

いかがでしたでしょうか? 『メタルギア』シリーズに登場する兵器たちの壮大な歴史と、そこに込められたメッセージの深さに改めて驚かれた方も多いのではないでしょうか。核搭載二足歩行戦車というグラーニンの原案から始まり、時に狂気的、時に平和的、そして最終的にはサポート役としてその名を残したメタルギアたち。

それぞれのメタルギアが、物語の中で「時代を動かす歯車」として重要な役割を担い、登場人物たちの人生や世界の命運を大きく左右してきました。あなたが最も心に残っているメタルギアはどれですか? その機体が持つ物語や、共に戦った記憶は、きっとかけがえのないものでしょう。

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